超音波診断法による虚血性心疾患の診断について

書誌事項

タイトル別名
  • Echocardiography in Ischemic Heart Diseases
  • チョウオンパ シンダンホウ ニヨル キョケツセイ シンシッカン ノ シンダン

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説明

急性心筋梗塞, 陳旧性心筋梗塞, 労作性狭心症, 安静時狭心症および無痛性虚血性心疾患に分類した虚血性心疾患計66例について, 心断層法を併用しつつMモード心エコー図をとり, 左室計測部位における諸計測とAsynergyについて検討を加えた. 急性心筋梗塞で心電図および201-T1心筋シンチの異常部位と心エコー図のAsynergy部位は必ずしも一致しなかつた. 急性心筋梗塞におけるAsynergyは, 一般にDyskinesis, Akinesis, Hypokinesis更に(Normal)と回復する傾向がある. LVDd/M2/PR-AG値が梗塞予後判定の一指標となる可能性を示した. 梗塞後狭心症の発生とAsynergyとの関連性が示唆された. 安静時狭心症では労作性狭心症に比しAsynergyの出現が有意に高かつた. 心断層法の併用によりMモード心エコー図の頻度が高まり, 日ごろ臨床における虚血性心疾患の診断, 治療の効果, 予後判定に欠くべからざる方法と思われる.

収録刊行物

  • 医療

    医療 35 (7), 605-615, 1981

    一般社団法人 国立医療学会

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