進行性核上性麻ひ(PSP):その理解と支援 進行性核上性麻ひ患者におけるえん下障害の特徴と対策
-
- 市原 典子
- 国立病院機構高松東病院 神経内科
書誌事項
- タイトル別名
-
- CHARACTERIZATION AND TREATMENT OF DYSPHAGIA IN CASES OF PROGRESSIVE SUPRANUCLEAR PALSY
説明
進行性核上性麻痺(PSP)の嚥下障害の特徴は, 食塊形成不全, 喉頭侵入, および口腔通過時間・咽頭通過時間・総嚥下時間の延長, 嚥下反射の遅れである. また, 病初期には仮性球麻痺が中心だが, 進行にともない球麻痺が進行し誤嚥の頻度も高くなる. 食べ方の異常は, 口に溜めて止まってしまう, 反り返って食べる, 食べ物を吹き出すなどである.<br>パーキンソン病(PD)との比較では, 咽頭送り込み時間が延長し, 頸部強剛の関与が示唆される. 両疾患ともに疾患の重症化につれて嚥下障害も重症となるが, PSPがより早期に重症化する. 誤嚥を示唆するむせ, 咳・痰, 3ヵ月以内の気道感染症, 湿声, 呻吟などの症状もPSPで多くみられる.<br>対策としては, 咽頭のアイスマッサージや増粘剤の使用, 食事前の嚥下体操, 頸部前屈などが有効で, 患者の食事場面を見守り, 声かけや体位の矯正をおこなうことも重要である.外科的な治療としては, 気管切開術に加えて気道食道分離術, 喉頭摘出術等がある.
収録刊行物
-
- 医療
-
医療 59 (9), 491-496, 2005
一般社団法人 国立医療学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206314530176
-
- NII論文ID
- 130004107842
-
- ISSN
- 18848729
- 00211699
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可