国立療養所神奈川病院における血液保存と輸血状況

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  • Clinical Studies of Blood Transfusion in Kanagawa-Byoin National Sanatorium
  • コクリツ リョウヨウジョ カナガワ ビョウイン ニ オケル ケツエキ ホゾン

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抄録

近年輸血療法は, 医学の進歩に伴つて従来の全血輸血から成分分画輸血へと変革してきている. 今回, 1974年3月から1976年5月までの当院での輸血状況について若干検討した. 全血液量は561,400ml(ACD血で2,807本)であつた. 製剤別比率は, ACD血81.0%, 新鮮血8.1%, 赤血球沈層4.6%, 凍結血漿4.5%, 洗浄血1.1%, 濃縮血小板血漿0.4%などとなつた. 年度別では1975年度に各種成分血液. 輸血が増加した. 疾患別にみると, 腎不全症例以外では全血が90%以上を占めたが, 今後血液センターの充実をはかると共に成分分画輸血を推進させる必要がある.<br>その一として, 1974年6月から冷凍血液輸血を開始, 1976年11月までに209単位(ACD血で418単位)を保存, 165.5単位を82例の慢性血液透析症例, 腎移植症例に輸血した. 冷凍血液は本症にとつて最も適切な輸血であり, 何らの副作用もなく, 以後利用範囲の拡大と充実をめざさなければならない.

収録刊行物

  • 医療

    医療 32 (2), 248-255, 1978

    一般社団法人 国立医療学会

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