輸液バランスよりみた高カロリー輸液の問題点

書誌事項

タイトル別名
  • Management of Intravenous Hyperalimentation under Fluid Balance
  • ユエキ バランス ヨリ ミタ コウ カロリー ユエキ ノ モンダイテン

この論文をさがす

抄録

過去5年間, 当院において実施した高カロリー輸液(IVH)の適応疾患は, 慢性栄養障害, 吸収不全症候群, イレウス, 腹膜炎, 膵炎, 多発性骨髄腫, 消化管瘻孔(縫合不全を含む), Short bowel syndrome(大量消化管切除), 大量消化管出血, 広汎熱傷, 先天性消化管異常, 照射後腸炎, 意識障害+下痢, 呼吸不全を含むShock, 肝不全(肝障害と腹水), 悪性腫瘍の手術と制癌剤療法との併用など, 多数の症例, 多様な病態に及んでいる. 栄養液処方も現在は, 市販製品を中心に組み合わせ, 管理面でも, 安全, 確実でかつ省力化をすすめてきた. 特殊病態下におけるIVHの経験を通して, 生体のホメオスターシスが崩れた場合, 体液, 代謝異常のタイムリーな調整と併行して, IVHの栄養素の配合, カロリーの調整に原疾患の根治性を加味した弾力的, 効果的なIVHプログラムが必要となる. 著者らの貴重な経験となつた症例をあげ, 輸液バランスよりみたIVHの問題点につき述べた.

収録刊行物

  • 医療

    医療 31 (11), 1197-1204, 1977

    一般社団法人 国立医療学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ