高齢者の戸外における下着の着衣分析

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タイトル別名
  • An analysis on under wear of the elderly wearing out of doors.

抄録

65 歳以上の高齢者の外出時の着衣状況を夏, 冬の 2 期について調査し, 下着および中衣を中心に分析した結果は, 次のように要約することができる.<BR>1) 着衣枚数は, 夏は, 男女ともに 「 2-3 」 の組合せの者が最も多く 60% を占めた. 冬は, 男子は「4-3」の組合せの者が 45%, 「 5-3 」の組合せの者が 28% で, 上衣の着衣枚数のほうが多かった.女子は男子に比し着衣枚数の組合せ別出現の範囲が大きく, とくに和服形式にその傾向は顕著であった.<BR>2) 男子の下着は, 夏は, 上衣は半袖シャツの着用者が 55%, ランニングシャツの着用者が 29%, 下衣は下ばきとしてさるまた・パンツ類の着用者が 85%, ブリーフの着用者が 11% であった, また, ロングパンツは84% の者に着用されていた.冬は, 長袖シャツ 1 枚の着用者が 64%, 長袖シャツ 2 枚の着用者が 21% で, 下衣は下ばきの上にズボン下またはタイツを着用している者が 97% あった.<BR>3) 女子の下着は, 夏は, 上衣はシュミーズ類を着用している者が最も多く 66% を占めた. 下衣は下ばきとしてズロース・ショーツ類の着用者が 49%, パンティの着用者が 18%, 3 ・ 5 分ショーツの着用者が 11% であった.また, 下ばきと最外衣の間にはシュミーズ, スリップ, ペティコート等を 93% の者が着用していた.<BR>冬は, 着衣形式によって異なるが, 上衣は, 和・洋ともに長袖シャツを着用している者が多かった.下衣は, 下ばきの上にズボン下, タイツ, パソティストッキング, 5 分ショーツ等を保温のための被服として着用していた.<BR>4) 防寒のための中衣としては, 男子はセーター・カーディガン類, ベスト類が多く, 着衣枚数の多い場合はそれらが互いに組み合わされて着用されていた. 女子は, 洋服着用者はセーター・カーディガン類, 和服着用者は半じゅばん, 長じゅばん, 袖なし半てんを着用していた.<BR>5) 提示した下着の要求項目を配慮していると回答した者は少なく, とくに男子は各項目とも 10% に満たなかった. 項目別では, 「 素材・品質」, 「 フィット性・ゆとり量」は夏, 冬ともに出現率は高いが, 季節別では, 夏は 「 べとつき感」, 「着脱のしやすさ」, 冬は, 「 軽さ」の出現率が高かった.

収録刊行物

  • 日本家政学会誌

    日本家政学会誌 39 (7), 751-758, 1988

    一般社団法人 日本家政学会

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206332325376
  • NII論文ID
    130003705269
  • DOI
    10.11428/jhej1987.39.751
  • ISSN
    18820352
    09135227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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