多産系ラットの初産次に少数発現する低litter size出産母体に認められた受精卵の着床前lossおよび着床後のはい・胎子のlossについて

書誌事項

タイトル別名
  • Pre and post-implantational losses of fertilized ova, embryos and fetuses in the primiparous small litter animal appeared in the fecund rat strain.
  • タサンケイ ラット ノ ショサン ツギニ ショウスウ ハツゲンスル テイ li

この論文をさがす

抄録

コソベンショナル飼育条件下の3ヵ月令の初産Wis-tar-Imamichi rat 6,215匹を用い,litter sizeと後分娩時の排卵数とlitter sizeと分娩後正常性周期復後の排卵数について検討した結果,次の成績が得られた。<BR>1)litter sizeは6,215腹の平均11.0±0.04匹であり,最小1より最大18匹にわたって分布し,低litter sizeの出現頻度は極めて少なかった。<BR>2)後分娩排卵および正常性周期復帰後の排卵数では,各1itter size群間でほとんど差異が見られず,低itter size群においても自然排卵数の正常範囲にあった。<BR>3)着床前の受精卵のloss(妊娠黄体数-着床痕数)は低litter size群で顕著で高litter size群ではほとんど認められなくなった。<BR>4)着床後の胚•胎仔のloss(着床痕数-litter si-ze)はlitter size7~8匹群までは,同等に多かったが,litter sizeの上昇と共に急激に減少した。<BR>5)子宮重量は,後分娩排卵時の解剖においてlittersizeの増加に伴い重くなる傾向が見られたが,次回の排卵(分娩日離乳後5日目)時には非妊娠時の値近くまで回復しておりlitter sizeの多少によるこのような差異は認められなくなった。<BR>以上の成績から,本ラットにおいて極めて低頻度で認められる低litter size分娩発現の主要因は,排卵後の受精卵の着床loss,胚と胎仔の着床後のlossであることが判明した。

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ