いわゆる義歯性線維腫40例の臨床的研究

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タイトル別名
  • Clinical Studies on 40 Cases of So-called Denture Fibroma
  • イワユル ギシセイ センイシュ 40レイ ノ リンショウテキ ケンキュウ

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抄録

われわれは日常臨床で比較的しばしば遭遇する, いわゆる義歯性線維腫の臨床病態像を明らかにする目的で本研究を行った。対象症例は1966年1月より1976年12月までの11年間に東京医科歯科大学歯学部付属病院第1口腔外科を受診した義歯性線維腫40例である。<BR>結果: 40例の年齢は50~60歳代を中心に32~81歳に分布し, 性別では男性7例に対し, 女性33例であった。当該顎に装用せる義歯の種類は総義歯36個, 局部床義歯4個で, これらの装着期間は2~30年, 平均7年であった。患者の自覚症状の大部分は無痛性腫瘤であったが, 義歯装着より症状自覚までの期間は, 2年以内, 3~4年および5年以上が各々ほぼ均等に認められた。腫瘤の形状は弁状型, 分葉型, 腫瘤型の3型に分類され, 各々30, 7, 3例であった。その発生部位は大部分が上下顎前歯部の歯肉唇移行部で, 他に舌側口底移行部, 歯槽部にも認めた。腫瘤の形状と症状自覚までの期間とを比較すると, 腫瘤型では比較的短期間内に発生し, 分葉型では長期間経過後に発生する傾向にあった。弁状型では, その期間は多様であった。<BR>これらの腫瘤はすべて手術的に切除され, いずれも経過良好であった。

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