歯科用ニッケルクローム合金の埋没法と鋳造体の表面アラサについて

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タイトル別名
  • Surface Roughness of Nickel-Chromium Alloy Casts Made by Using Various Investments
  • シカヨウ ニッケルクローム ゴウキン ノ マイボツホウ ト チュウゾウタイ ノ ヒョウメン アラサ ニ ツイテ

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抄録

歯科用ニッケルクローム合金において, いかなる条件下で最もよい鋳造面が得られるかを検討するために, 3種の市販合金を石膏系, リン酸塩系の各種埋没材を用いて鋳造し, それぞれの鋳造体面を比較した。得られた鋳造体面の清掃法を検討した後, 清掃後の鋳造体面を, 肉眼ならびに光学顕微鏡, 万能拡大投影機, 触針式アラサ計で観察あるいは測定し, ざらに走査電顕にて鋳造体面と鋳型壁の細部を観察比較した。また, 鋳造体の断面標本を作り表面性状と結晶粒との関係を検討した。<BR>これにより次のような知見を得た。<BR>1) ニッケルクローム合金の鋳造体から付着物のみを除いて鋳造面をそのまま正確に露出するための清掃法としては, 50%NaOH溶液中で30分間沸騰させ, 純水中で沸騰後超音波洗溝する方法が最適であった。 (但し若干の合金面の削磨が許される臨床的な清掃のためにはサンドブラストが有効と思われた。)<BR>2) タイコンおよびウィロンは鋳造時に埋没材の粒度が大きいほど荒くなった。従ってタイコンおよびヴィロンの鋳造のためには, 粒子の疎大なセラミゴールド埋没材は不適であって, それ以外の埋没材では石膏系でもリン酸塩系でも大体同様に滑沢な鋳造面が得られた。<BR>3) サンコリゥムは著しく酸化されやすく, そのために溶湯は鋳型壁から部分的にあるいは全面的に離れて凝固し, 部分的に離れた所では斑点状に特に肌アレの著しい部分を生じた。サンコリゥムの鋳造のためには, 試験された埋没材の中, 酸化の少ないコロイダルシリカを加えたリン酸塩系のセラミゴールド埋没材が最も滑沢な鋳造面を作った。

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被引用文献 (1)*注記

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