中山間地域の高齢者におけるフレイルと救急搬送後の転帰の関連性

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タイトル別名
  • Relationships between Frailty and Outcomes Following to Emergency Transportation in Elderly Patients in Rural Area
  • ナカヤマ カン チイキ ノ コウレイシャ ニ オケル フレイル ト キュウキュウ ハンソウ ゴ ノ テンキ ノ カンレンセイ

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抄録

背景・目的:本邦では高齢化が急速に進み, 多くの臨床医は高齢者を診療する機会が増加してきている. 高齢者に対し若年者と同様な救命処置や救急搬送を行っても本人や家族の望んだ結果とならない場合があるが, 高齢者の年齢のみで医療をどこまで行えばよいのか判断することは難しい. 近年, 老化に伴い生理的予備能が低下し, ストレス耐性が減弱することで健康障害や死亡などを起こしやすい病態であるフレイルが注目されてきている. そこで本研究では, 中山間地域の高齢者におけるフレイルと救急搬送後の転帰について検討した.<br>対象と方法:2014年4月から9月の間に診療所医師が診察し救急搬送後入院となった65歳以上の高齢者を対象とし, 入院前後の生活状況および入院前のフレイルの有無を調査した.<br>結 果:調査期間中に救急搬送となった高齢者は男性3例および女性4例の合計7例で, 平均年齢は84.3歳であった. 7例中5例が入院前フレイルと判定された. 入院前フレイルと判定されていた患者はフレイルでない患者と比べ, 生存や従来生活していた場所への退院が難しかった.<br>結 語:高齢者のフレイルの有無から病状悪化を認めた場合に救急搬送後の転帰を予測でき, 本人や家族の心の準備や希望に添えた診療を行える可能性が示唆された.

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