80歳者における個々の歯牙喪失と異常心電図所見の関係

  • 高田 豊
    九州歯科大学健康増進学講座総合内科学分野
  • 安細 敏弘
    九州歯科大学健康増進学講座保健医療フロンティア科学分野
  • 粟野 秀慈
    九州歯科大学健康増進学講座保健医療フロンティア科学分野
  • 園木 一男
    九州歯科大学健康増進学講座総合内科学分野
  • 秋房 住郎
    九州歯科大学健康増進学講座保健医療フロンティア科学分野
  • 福原 正代
    九州歯科大学健康増進学講座総合内科学分野
  • 脇坂 正則
    九州歯科大学健康増進学講座総合内科学分野
  • 竹原 直道
    九州歯科大学健康増進学講座保健医療フロンティア科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Tooth Loss Associated with Abnormal Electrocardiographic Findings in Octogenarians

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抄録

冠動脈疾患と個々の歯牙喪失の関係について福岡県80歳住民を対象に調査を行った.福岡県内の9市町村区に住む1282名の80歳住民のうち,697名が健診を受けた.健診では歯科健診,十二誘導心電図,問診,採血,血圧測定などを行った.右上顎側の切歯か第一臼歯の喪失,左上顎側の中切歯か犬歯の喪失,左下顎側の第二小臼歯か第一大臼歯の喪失がある住民では,これらの歯牙の喪失がない住民よりも,心電図のST低下かT波異常かこの心電図異常のどちらかの発現頻度が高かった.この関係はロジスティック回帰分析を用いて性差,喫煙,歯磨き,医院通院,血清コレステロール値,血糖値,血圧値,BMIで補正しても同様であった.以上の結果から,80歳高齢者において,これらの部位の歯牙喪失がST低下やT波異常の心電図異常と独立した関係にあり,虚血性心臓病の危険因子となる可能性が示唆された.

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