先天性風疹症候群児にみられた先天性歯牙欠如について

書誌事項

タイトル別名
  • Congential Anodontia in Children with Congenital Rubella Syndrome
  • 先天性風疹症候群児にみられた先天性歯牙欠如について〔英文〕
  • センテンセイ フウシン ショウコウグンジ ニ ミラレタ センテンセイ シガ ケ

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説明

1964年後半から1965年前半にかけて沖縄地方で大流行した風疹は, 当時妊娠初期にあった母親に感染し, 風疹ウィルスが血行性に胎児感染をしたため, その胎児は種々の障害を持って出生した.この先天的異常について種々の分野から多数の研究報告がなされてきたが, 口腔領域の研究報告は少なく, その実体は未だ充分ではない.著者は発症後12年を経過した1977年8月, 那覇市を中心とした沖縄本島中南部の難聴学級に在籍する先天性風疹症候群児と認定された児童のうち男55名, 女49名の先天性歯牙欠如について調査, 検討し, 次の結論をえた.1. 先天性風疹症候群児における先天性歯牙欠如は上顎で中切歯, 第二大臼歯, 下顎で中切歯, 側切歯, 犬歯, 第二小臼歯, 第一大臼歯にみられた.2. 欠如歯保有率および欠如歯率においても先天性風疹症候群児は健康人よりかなり高い.3. 風疹ウィルスは明らかに先天性歯牙欠如を起す原因の一つと考えられる.また下顎歯牙に多数の先天性歯牙如欠がみられたことは, 先天性風疹症候群児の下顎骨が矮小であることも一因と考える.

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