上顎エナメル上皮腫の 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • Ameloblstoma of the Maxilla : Report of a case
  • 上顎エナメル上皮腫の1例〔英文〕
  • ジョウガク エナメル ジョウヒシュ ノ 1レイ エイブン

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説明

エナメル上皮腫はエナメル器に類似した大小様々の嚢胞を形成する腫瘍で, 下顎に多く発生し, 上顎では稀である.今回, 65才の女性の上顎に発生したエナメル上皮腫を経験したので報告する.患者は65才の女性で, 左側上顎の腫脹を主訴として来院した.顔貌はやや左右非対称で左側上顎部ビマン性腫脹を認める.口腔内所見として, 1234部の歯肉頬移行部に骨膨隆が認められ, 羊皮紙様感を呈し, 一部に波動を触れた.圧痛等炎症々見は認められなかった.穿刺にてコレステリン結晶を含む5ccの黄褐色の液を吸引した.試験切除にて確定診断を得られず, G-O-F全麻下にて摘出手術を行なった.腫瘍は嚢胞状で一部歯槽粘膜との癒着はあったが一塊として摘出できた.上顎洞との関連性は認められなかった.病理組織診断は宮崎・荒井の分類のI型に相当するエナメル上皮腫であった.術後3年半を経過しているが再発は認めていない.

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