埋蔵木炭に関する研究 (I)

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on excavated ancient charcoal (I)
  • 埋蔵木炭に関する研究-1-芝谷遺跡出土木炭の性状
  • マイゾウ モクタン ニカンスルケンキュウ 1 シバタニ イセキ シュツドボクタ
  • 芝谷遺跡出土木炭の性状
  • The qualities of the charcoal from Sibatani Remains

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説明

発掘に伴って出土した木炭の性状を検討するため,拡大鏡で表面を観察し,工業分析,熱分析によって炭化度を測定した。とくに含有量の多かった灰分は,その色調と金属成分について原子吸光分析を行ない,出土木炭と現代木炭および埋蔵地土壌との比較を行なった。 (1) 出土木炭はその表面構造からコナラ属およびマツ属の木炭に類し,揮発分が著しく多く固定炭素が少なく,現代木炭の未炭化物に相当するもので,おそらく多年の埋蔵により木炭質が分解されたものではないかと思われる。 (2) 出土木炭の灰分は7~16% あり現代木炭に比し著しく多く,とくに鉄分が多いが,これは出土地点の土壌水分から選択吸着されたものか,あるいは多量の鉄分などを含んだ原材が炭化されてもたらされたものではないかと推察される。 (3) 出土木炭灰の色調は濃いが,その原因は現代木炭と比較してその灰に多量含まれる鉄分など金属成分の酸化物あるいはその塩類のためと考えられる。

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