林内の異なる光環境下に生育するスギ伏条稚樹の光合成能の季節変化

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タイトル別名
  • On the Seasonal Course of Photosynthetic Activity of Sugi (<i>Cryptomeria japonica</i> D. DON) Layerings Growing under Different Light Climates in the Forest
  • 林内の異なる光環境下に生育するスギ伏条稚樹の光合成能の季節変化〔英文〕
  • リンナイ ノ コトナル ヒカリ カンキョウカ ニ セイイクスル スギ フクジョ

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抄録

天然生スギ林の内外の,いろいろな光環境下に生育するスギ伏条稚樹の切断葉について,一定温度・給水条件下における光一光合成曲線の季節変化を調べた。葉の伸長がほぼ完了した8月上旬には,初期勾配は光環境に関わりなくほぼ等しかった。その後,光環境への適応がみられ, 10月ごろにおける初期勾配は,林内稚樹が林外稚樹の約2倍に達した。初期勾配の増大を伴うこの適応過程は約3か月間にわたり観察された。林内稚樹の1年葉の初期勾配は夏期一時的に低下したが,この時期は新葉の伸長期とほぼ一致していた。強光域の光合成活性を示す最大光合成速度は,林内稚樹では通年安定した値をとり続けた。これに対し林外稚樹では12月ごろから顕著に低下し,低温による影響が考えられた。林外稚樹が冬期寒風にさらされていたのに対し林内稚樹は雪に埋もれており,積雪による保護効果が考えられる。これから,光合成能からみても光環境は生育場所の温度環境等の指標として重要であろう。

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