山林火災跡地における緑化工の生態学的評価

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  • Ecological evaluation of reforestation at the burnt forest site
  • サンリン カサイ アトチ ニ オケル リョクカコウ ノ セイタイガクテキ ヒョウカ

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抄録

山林火災跡地に施される緑化工の効果を生態学的見地から評価するために,焼失後放置区(未植栽),階段植栽区,山成り植栽区において,植生の回復過程と土砂流出量を比較した。再生植生の種組成や遷移は植栽によって影響され,特に階段植栽区でこの傾向が著しかった。木本植物の現存量は放置区より植栽区で大きく,植栽は早期植生回復に有効であると思われた。階段植栽区と山成り植栽区を比較すると,植栽初期には階段植栽区で植栽木の成長が良好であるが,植栽後12年以上経過した場所では,自然再生木の多い山成り植栽区の現存量が,階段植栽区のそれを大きく上回っていた。植生回復による土砂流出防止効果も山成り植栽区で最も顕著であり,次いで階段植栽区,放置区の順であった。以上の結果から,山林火災跡地では,山成り植栽法のように自然再生木の生育を妨げない工法を用いた緑化が有効であると思われる。

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