綿および麻を素材とした下刈用作業服の試作と衣服内気候の実験的検討

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タイトル別名
  • Design of work clothes made of cotton and linen for brush-cutting during summer and applied test of micro-climate inside them
  • メン オヨビ アサ オ ソザイ ト シタ シタガリヨウ サギョウフク ノ シサ

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抄録

下刈用作業服の素材として綿と麻を取り上げ,それぞれ半袖と長袖の下刈用作業服(上衣)を試作した。デザインは,通気性や動作のしやすさを考慮して,前あきで,オープンカラーとし,ゆとり量を大きくとり,袖山を低くした。これらの作業服を着用して,夏季に野外試験を行い,下刈作業時の衣服内気候を測定するとともに,着心地に関する調査を行った結果,以下のようなことが明らかになった。1)晴の日の下刈作業における衣服内温度は,いずれの作業服も上腕部で最も高く,次に背部であり,胸部は最も低かった。2)衣服内湿度は首にタオルを巻いていなかった麻半袖の背部を除き,100%RHに近い湿度になった。3)衣服への汗の吸収量は,綿作業服着用時の方が大きい。4)着心地についてはいずれの作業服も動きやすく,涼しく,風通しがよい,とくに半袖は風通しがよく涼しいと評価された。5)作業服の接触感は,長袖において肌に直接触れている肩の部分で,綿では汗による体へのべとつきが示され,麻ではちくちくするという物理的刺激が示された。6)素材の物理的特性と着用実験結果から,素材としては,麻の方が熱伝達性,水分の吸収•放湿性,強度の点で,炎天下の下刈用作業服に適していると考えられる。7)下着の着用は汗の吸収と輻射熱の遮断において大きな効果があり,またかたい麻織物が直接皮膚に接触しないためにも,作業服の下に下着を着用することが効果的と考えられる。

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