偽膜形成をともなった劇症型アメーバ腸炎の1例

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タイトル別名
  • A case of fulminant amebic colitis with feature of pseudomembrene formation on sigmoidscopic examination

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説明

症例は77歳男性.下痢と血便,発熱を主訴に当院初診したが,炎症反応が高値で入院となった.入院後も大量の水様性下痢は持続し,画像で著明な大腸壁肥厚が認められ,大腸に強い炎症が生じていることが判明した.便培養は陰性であった.大腸内視鏡検査で直腸~S状結腸にかけて偽膜形成が認められたが,CD toxinは陰性であった.抗生剤,γグロプリン製剤,ステロイドパルスによる治療を施行したが,入院第7病日に多臓器不全で死亡した.剖検で全大腸は“ぼろ雑巾”状に壊死におちいっており,組織内に多数アメーバ原虫が認められ,劇症型アメーバ腸炎の診断がなされた.まれではあるがアメーバが致死的な劇症型腸炎を引きおこすことがある.原因不明の重症腸炎をみた場合には,アメーバ腸炎も念頭に入れて,外科的処置も考慮した早期治療を行うことが重要であると考えられた.

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