秋田県の山野におけるうどんこ病菌宿主植物・菌の分布と発病を助長する主要因としての土壌Ca

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タイトル別名
  • Host range and distribution of powdery mildew fungi and soil calcium as a major factor affecting disease incidence in mountainous regions of Akita Prefecture, Japan
  • アキタケン ノ サンヤ ニ オケル ウドンコビョウキン ヤドヌシ ショクブツ キン ノ ブンプ ト ハツビョウ オ ジョチョウスル シュヨウイン ト シテノ ドジョウ Ca

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抄録

2001~2006年に秋田県の7地域の山地においてうどんこ病菌の宿主植物,そこに寄生しているうどんこ病菌属種の種類,分布,およびうどんこ病の発病を左右する要因について調査を行ったのでその結果について報告する.うどんこ病菌の宿主植物は秋田県の調査地域全体と調査地に行く途中の秋田市や大仙市で見つけられたものを含め48科126種が認められた.この宿主植物で最も多くの種が採集された科は秋田県北部地域ではスイカズラ科,中央部および南部地域ではキク科であった.また,日本において未報告の,新宿主と考えられる宿主植物がバラ科,スイカズラ科,キク科でそれぞれ2種,オトギリソウ科,ウコギ科,ツツジ科でそれぞれ1種,合計9種認められた.秋田県において,これら宿主植物に寄生しているうどんこ病菌の属は未判定菌を除き10属(新分類体系で7属)認められ,これらの属(節)の中ではUncinula属(ErysipheUncinula節,Parauncinula属),Microsphaera属(ErysipheMicrosphaera節)菌の寄生が他の属(節)より格段に多かった.また,9種の宿主上で寄生うどんこ病菌は既報告のものと種が,また,別の9種の宿主上では既報告のものと属(節)が異なると考えられる菌が観察された.さらに地域により「発病宿主植物」数に大きな差があることの要因について検討した.その結果,その地域の「分布宿主植物」種当たりの「発病宿主率」が約30%以上の多発病地域は,6月~9月の月当たり平均降雨量が約166 mm以下,平均風速が1.2 m/s以上で,調査地の平均土壌Ca含量が1900 mg/kg以上であること,発病を左右する主要因は土壌Ca含量であり,その上に気象条件が乾燥気味であること,が加味されることにより発病がより助長されると考えられた.<br>

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