イムノクロマト診断キットによる温州萎縮ウイルスの周年検定
書誌事項
- タイトル別名
-
- All-season detection of <i>Satsuma dwarf virus</i> using an immunochromatographic assay kit.
- イムノクロマト シンダン キット ニ ヨル ウンシュウ イシュク ウイルス ノ シュウネン ケンテイ
- All-season detection of Satsuma dwarf virus using an immunochromatographic assay kit.
この論文をさがす
抄録
SDVにより引き起こされる温州萎縮病は収量や果実品質の低下を引き起こすことから問題となっている.カンキツのウイルス検定はこれまでELISA法が一般的に用いられてきたが,新梢を検体とすることから検定できる期間が1年のうち数週間と限定されており,かつ検定に時間を要することが問題となっていた.そこで,イムノクロマト診断キットにより簡単,迅速に,かつ周年可能なSDV検出方法を検討した.その結果,春の新梢と同様に,花については花弁,柱頭,子房の部位別に分離して検定したところ,いずれの部位を用いても検出可能であった.夏季から秋季にかけては,果皮のフラベド部分を用いると高率に検出が可能であり,特に日光の照射量が多い夏季は内成り果の果皮を用いると検出率が高かった.冬季においては,3ヶ月間常温貯蔵庫で貯蔵した果実の果皮からも検出可能であった.夏季採取の果実や長期貯蔵果実でも検出が可能であったが,検体によっては検出率が低下する事例が確認されたので検定する際はなるべく多くの果実を供試する必要がある.また,カンキツ苗木育成のための穂木のウイルス診断に際しては,冬季切り枝水挿し法による新梢や花蕾を用いても陽性反応が確認された.これらの結果から,SDVクロマトによる検定に新梢,花蕾,果皮,冬季の切り枝から発生させた新梢や花蕾を用いることでSDVの周年検出が可能となった.
収録刊行物
-
- 日本植物病理学会報
-
日本植物病理学会報 80 (4), 222-228, 2014
日本植物病理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206405140480
-
- NII論文ID
- 130004779414
-
- NII書誌ID
- AN0019269X
-
- ISSN
- 18820484
- 00319473
-
- NDL書誌ID
- 025940901
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- IRDB
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可