夏ダイダイの実生樹(Apogamy)のフラボノイドの検討

書誌事項

タイトル別名
  • Flavonoid Contents in the Natsu-daidai Fruits (Apogamy).
  • ナツ ダイダイ ノ ミショウジュ Apogamy ノ フラボノイド ノ ケントウ

この論文をさがす

抄録

夏ダイダイの果肉中(ジョウノウを除く)のフラボノイドと各成分および樹勢,樹令との関係ならびにその含量を検討しつぎのような結果を得た。<BR>(1) 樹勢が衰えたり,樹令が進むと果肉中のフラボノイドは増す傾向を示す。<BR>(2) 実生樹1,422個体についてフラボノイドの含量は最低49.4mg%,最高191.2mg%,平均値は88.5±17.29であり,最高と最低の間には約4倍の幅があった。<BR>(3) 糖度や酸が多いものはフラボノイドも多くなる。しかし,糖度は酸よりもフラボノイドに対してより深い相関関係にある。<BR>(4) 成熟度が同じであると考えられる同一樹中の果実の小さいものは大きいものに比して糖度,酸ともに多い傾向があり,フラボノイドもこれに比例していた。<BR>(5) 隣接する2つの地域でもフラボノイド量に差のあるところがあるが,気象,土壌,栽培法などの諸条件とフラボノイドの間には一定した関係を見ることはできなかったが,フラボノイドの多い地域は糖度も高かった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ