紅麹米発酵物飲料の発酵条件による色調と色素組成変化

書誌事項

タイトル別名
  • Changes in the Color and Pigmentation of Fermented Benikoji-rice Drink
  • ベニコウジマイ ハッコウブツ インリョウ ノ ハッコウ ジョウケン ニ ヨル シキチョウ ト シキソ ソセイ ヘンカ

この論文をさがす

抄録

紅麹米発酵物飲料は,紅麹菌(Monascs属カビ)の炊飯米発酵物飲料である.製造条件により,色調は暗赤色からあざやかな紅色まで大きく変動するため,製品段階でしばしば問題となるが,原因は明らかにされていなかった.本研究では,発酵条件の色調に及ぼす影響を明らかにするために,炊飯水分量,温度および湿度の発酵条件を変えた時の紅麹米発酵物の色調と色素組成を比較,検討した.紅麹米発酵物で推定した紫色色素のrubropunctamine(RP)とmonascorubramine(MR)および黄色色素のmonascin(MC)とankaflavin(AK)を指標に色調をみると,炊飯水分量,温度および湿度が高くなるほど紫色色素のRPとMRは減少した.黄色色素のMCとAKの産生量は紫色色素に比べて多く,また紫色色素と同様に温度の増加に伴い増加したが,湿度による産生量に変動はなかった.発酵条件による色素産生量とその組成変化は,明度,彩度,色相および色価を変えることで色調に影響を与えた.本研究で紅麹米発酵物飲料の色素組成を発酵条件により変化させることで,問題となっていた暗赤色をあざやかな紅色の色調に変えることが可能になった.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (16)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ