多発性骨髄腫に対する自家末梢血幹細胞移植

  • 内野 慶人
    日本大学医学部内科学系血液膠原病内科分野

書誌事項

タイトル別名
  • Autologous Peripheral Blood Stem Cell Transplantation for Multiple Myeloma
  • タハツセイ コツズイシュ ニ タイスル ジカ マッショウケツ カンサイボウ イショク

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多発性骨髄腫(Multiple Myeloma: MM) は高齢者に非常に多い造血器悪性腫瘍であり,治療強度を高める目的で自家末梢血幹細胞移植(Autologous peripheralblood stem cell transplantation; APBSCT) を取り入れた治療が盛んに行われている.しかし現時点では移植対象症例は65 歳前後までを対象としているため,適応外の症例には外来治療を継続することとなる.APBSCT に同種造血幹細胞移植(Allogeneic stem cell transplantation; allo SCT) を組み合わせたタンデム移植と呼ばれる複数回移植方法や,allo SCT はAPBSCT との比較試験も行われているが,予後の改善が得られた報告は少なく現時点では標準療法ではない.最近ではプロテアソーム阻害剤や免疫調節薬を取り入れて移植後にも治療を継続することで成績の改善が得られており,多発性骨髄腫における造血幹細胞移植領域は薬剤との併用によりあらたな治療戦略が期待される.

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