扁桃摘出後に腎組織障害が潜在性に進行したIgA腎症の一例

  • 鈴木 緑
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
  • 石原 有子
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
  • 宇都 栄作
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
  • 伊藤 謙
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
  • 福家 吉伸
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
  • 藤田 宜是
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野
  • 松本 紘一
    日本大学医学部内科学系腎臓高血圧内分泌内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Advanced IgA Nephropathy with Reduced Clinical Findings after Tonsillectomy
  • 症例報告 扁桃摘出後に腎組織障害が潜在性に進行したIgA腎症の一例
  • ショウレイ ホウコク ヘントウ テキシュツ ゴ ニ ジンソシキ ショウガイ ガ センザイセイ ニ シンコウ シタ IgAジンショウ ノ 1レイ

この論文をさがす

抄録

症例は 38 歳の女性.16 年前に,健康診断にて初めて蛋白尿を指摘された.腎生検を含めた原因精査を行い,IgA 腎症 (予後良好群) と診断された.副腎皮質ホルモン療法は奨励されず,病巣感染による腎炎の進行阻止を目的として扁桃摘出術が施行された.その後も検診の度に蛋白尿を指摘されていたが,自覚症状もないため放置していた.平成 20 年 10 月,16 年間続く尿蛋白のため治療法の再評価を目的に入院となった.精査の結果は障害の進行した IgA 腎症 (予後不良群) で,すでに副腎皮質ホルモン療法の適応ではないと判断された.本症例は臨床症状に乏しく,積極治療の時期を逸した要因のひとつとして扁桃摘出が考えられた.扁摘単独療法は腎炎の進行を抑えるのに不十分なだけでなく,腎炎の進行を潜在化させている可能性が疑われた.

収録刊行物

参考文献 (23)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ