高安病における肺病変について

書誌事項

タイトル別名
  • PULMONARY FUNCTIONS IN TAKAYASU'S DISEASE
  • タカヤスビョウ ニ オケル ハイ ビョウヘン ニ ツイテ

この論文をさがす

抄録

近年高安病における腕動脈病変が注員されている.われわれは45名の高安病患者につき肺シンチレ一ション検査を中心に膝病変を追求した.肺シンチ検査では33名(73%)に異常所見が認められ,内9名(20%)はlobar perfusion defect (PD) (1群), 14名(31%)はsegmental PD (II群)を示した,さらに,肺区域単位として病変が確認出来ない,いわゆるnansegmental PD (III群)を示した例が10名(22%)あり,異常所見が認められなかつたのは僅か12名(27%) (IV群)にすぎなかつた.この内8例にHssure signの存在を確認した.又,吸入肺シンチ, RIアンギオによりPDを示した区域での気管支動脈を介しての肺循環の存在を確認した.呼吸機能検査ではVC, %VC, %FVCは正常範囲内にあつたがMVV, %MVは低下, RV, RV/TLCの上昇が認められた.動脈血ガス分析ではPH7.44±0.01, Po2. 67.1±7.0mmHgと同年令域健康婦人値7.41±0.004, 90.9±3.0mmHgに比し有意の低値(P<0.01)が認められた.さらに血小板凝集能をscreen filtration pressure法にて測定すると肺シンチに異常所見のみられる3群では, 374±30mmHg (I), 413±38 (II), 371±37 (III)といずれも健康女子SFP値265±14mmHgに比し有意の高値を示し,血小板凝集能亢進機序の存在がうかがわれた.肺シソチで異常所見のないIV群は256±40mmHgで正常値内であつた.以上の検索より,自覚症状は少ないが高安病患者には肺動脈病変がかなり高頻度に出現していること,そしてその肺シンチの特徴的な所見およびSFP値の高値より肺病変の出現,進行に血栓が重要な役割を演じていることが示唆された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ