腎臓病とミネラロコルチコイド受容体

  • 長瀬 美樹
    東京大学大学院医学系研究科腎臓・内分泌内科慢性腎臓病(CKD)学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Kidney Disease and Mineralocorticoid Receptor
  • 医学と医療の最前線 腎臓病とミネラロコルチコイド受容体
  • イガク ト イリョウ ノ サイゼンセン ジンゾウビョウ ト ミネラロコルチコイド ジュヨウタイ

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抄録

近年,アルドステロン/ミネラロコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor:MR)系の過剰な活性化が腎臓病の成因として注目されている.アルドステロン投与ラットやメタボリックシンドロームモデルラットなど,アルドステロン過剰状態ではリガンド依存性にMRが活性化され,糸球体足細胞障害,蛋白尿,腎障害が生じやすい.これらは塩分過剰摂取時に顕著となり,MR拮抗薬が有効である.一方,血中アルドステロン濃度が高くなくても標的臓器においてMR活性化による障害が生じうることがわかってきた.筆者らは,低分子量G蛋白Rac1がアルドステロン非依存性にMRを活性化すること,Rac1とMRのクロストークが慢性腎臓病モデルの病態に深く関与することを見いだした.今後,メタボリックシンドローム患者の腎障害に対するMR拮抗薬の有用性や,慢性腎臓病の新たな治療薬としてのRac阻害薬の可能性に期待がもたれる.<br>

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参考文献 (36)*注記

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