悪性関節リウマチの経過中にHodgkin病により死亡した症例

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タイトル別名
  • A CASE OF MALIGNANT RHEUMATOID ARTHRITIS TERMINATING IN HODGKIN'S DISEASE
  • アクセイ カンセツ リウマチ ノ ケイカチュウ ニ Hodgkinビョウ ニ

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説明

“呼吸器症状が先行し,関節症状が軽度で特異な経過を示した悪性関節リウマチの1例”として先に報告した症例が末期にHodgkin病を合併して,さらに注目すべき経過を示した.本例のHodgkin病合併前後の病像の変化を中心に概説し,併せて悪性関節リウマチとHodgkin病の合併の意義について考察した.症例. 55才,男性. 1970年息切れ, 1971年肺線維症と診断, 1972年多発性関節炎, 1973年皮下結節出現し,慢性関節リウマチと診断.その後関節症状の反復と併せて呼吸器症状の増悪を訴えた. 1976年12月,高熱,関節炎,咳漱,喀痰, 1977年3月確定的悪性関節リウマチと診断この時脾腫なし.その後3カ月ほど順調であつたが,同年7月高熱.以前からあつた表在リンパ節の軽度の腫大傾向,脾の急速な腫大とともに悪性関節リウマチ診断時に認めた各種の免疫学的異常データが軽減ないし消褪した.以上よりHodgkin病の併発をつよく疑いstaging laparotomyを施行し,脾腫はHodgkin病(肉芽腫型, mixed cellularity)の浸潤によることが明らかはこなつた.自己免疫病とリンパ系腫瘍の合併は偶然以上のものと考えられ,さらに両者は単なる合併というより相互に関連した有機的一体のものとして把握すべきである.両者の関連性について,原因,発生機序の面から若干の考察を加えた.

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