本態性高血圧症の下垂体副腎皮質機能について

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  • PITUITARY-ADRENOCORTICAL FUNCTION IN ESSENTIAL HYPERTENSION
  • ホンタイセイ コウケツアツショウ ノ カスイタイ フクジン ヒシツ キノウ ニ ツイテ

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抄録

本態性高血圧症の下垂体副腎皮質機能について血中17-OHCS濃度を中心に追究した.本症では特にその発症初期に血中遊離型17-OHCSの高値および尿中排泄値との解離,副腎予備能の増大,著明な日差変動,日内変動リズムの不整,グルクロン酸抱合型17-OHCSクリアランスの低下などステロイド代謝動態に異常の存する事を知り,臨床的観察,降圧剤投与の影響などから,これが下垂体副腎皮質系の中樞調節の失調によつて招来されていることを推測した.すなわち本症では間腦中樞の不安定状態に基づくACTHの間欠的過分泌があり,これが副腎を刺激して,さらに副腎外作用として上述のステロイド動態の異常を来たしていると考えられる.さらにこのようなステロイドの異常動態に表現されている中樞の失調が,本症の発症に重要な役割を有していると考えられる.

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