低レニン本態性高血圧症のレニン-アルドステロン系にかんする研究

DOI Web Site Web Site PubMed オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • A REDUCED ALDOSTERONE RESPONSE TO INFUSED ANGIOTENSIN II IN LOW RENIN ESSENTIAL HYPERTENSION
  • テイ レニン ホンタイセイ コウケツアツショウ ノ レニン アルドステロンケイ

この論文をさがす

説明

フロセマイド〓立位負荷によるレニン刺激試験に対する反応によつて選別した“低レニン”本態性高血圧症(LRH)について,アンジオテンシンII注入,合成ACTH静注およびフロセミド〓立位負荷に対する血漿アルドステロン(Aldo)の変動を観察し,正常人および各種疾患のそれと対比して検討を加えた. LRHではアンジオテンシンII注入に対する血漿Aldoの反応が,原発性アルドステロン症と同様に抑制されたが,正常人はdose responseを示して増加した.正常レニン本態性高血圧症では正常増加反応を示し,二次性アルドステロン症では反応の増強が認められた. LRHにおけるACTHに対する血漿Aldoの反応は正常増加を示し,またフロセミド〓立位負荷に対しても,血漿レニン活性が低(反応)値にもかかわらず,血漿Aldoは増加した.また,このばあいアンジオテンシンIIに対する血漿Aldoの反応の抑制はKを負荷しても認められたが, Naを制限するとその反応に回復がみられた.以上の成績は, LRHにおいては,アンジオテンシンIIによるAldo分泌刺激作用が,おそらくNa代謝に関連した何らかのメカニズムによつて選択的に抑制を受けていることを示し,これは原発性アルドステロン症と共通のものかも知れない.このことは, LRHの病態生理に副腎の関与する可能性についての有力な示唆を与えるものと考える.

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ