アレルギー性血管炎の1例

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  • A CASE OF ALLERGIC ANGITIS
  • アレルギーセイ ケッカンエン ノ 1レイ

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抄録

症例, 22才の男.昭和49年2月,胆のう炎の治療のため,アンピシリン,クロキサシリンの投与を受け, 3カ月後に,両下肢に発疹が出現,抗生物質を中止したが,発疹は消失しなかつた.同年8月喘鳴を伴う咳嗽が出現した.その後発疹が悪化したため,同年10月16日,当科に入院となつた.入院時,全身のリンパ節腫大と両下肢の発疹を認めた.末梢血では著明な好酸球増多を認めた. β-globulin, γ-globulin, Ig-Gが軽度に上昇していた.胸部X線像では両側中肺野に網状陰影を認めた.下腿発診部の生検像では血管壁はfibrinoid壊死に陥り,血管周囲には好酸球を主とした細胞浸潤がみられた.皮膚生検像よりアレルギー性血管炎と診断された.本症の発生には薬剤アレルギーの関与が報告されている,本例ではぺニシリン投与後発疹を生じているがぺニシリンに対する沈降抗体は,証明されなかつた.本症例は,著明な好酸球増多を認め,喘息の合併,皮膚生検像によるアレルギー性血管炎の証明から,アレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angitis (Churg and Strauss)),あるいは呼吸器症状を伴う結節性動脈周囲炎(polyarteritis nodosa with pulmonary involvement (Rose and Spencer))に一致すると考えた.

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