3.アレルギー性気道炎症と気道上皮細胞

  • 権 寧博
    日本大学内科学系呼吸器内科学分野
  • 橋本 修
    日本大学内科学系呼吸器内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • 3. Roles of Airway Epithelium on the Pathogenesis of Allergic Airway Inflammation
  • アレルギー性気道炎症と気道上皮細胞
  • アレルギーセイ キドウ エンショウ ト キドウ ジョウヒ サイボウ

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抄録

気管支喘息は,気道過敏性の亢進,リモデリングによる気道の組織変化を特徴とする気道の慢性炎症性疾患である.最近まで喘息の気道炎症の基盤となる病態は,IgEや好酸球,Th2優位の免疫反応によるアレルギー炎症と一元的に理解されてきた.しかし,近年の免疫学の進歩により,アレルギー炎症には従来知られていなかった多種にわたる免疫細胞が関係し,多様な免疫病態を形成していることが分かってきた.複数の免疫システムが重層することで,気道に感作が成立し,持続的なアレルギー炎症が形成されると思われる.また,近年に実施されたIgEやTh2サイトカインを分子標的とする臨床試験では,治療反応性の異なる患者群が存在することが明らかとなり,喘息は異なった免疫病態を呈する複数のフェノタイプから構成される複合的疾患であると理解されるようになってきている.本稿では,気管支喘息の病態生理について,特に,アレルギー炎症とリモデリングの病態のメカニズムを中心に,最近の知見を紹介しながら喘息の病態を考察する.

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参考文献 (46)*注記

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