-
- 笹川 千尋
- 東京大学医科学研究所細菌研究部
書誌事項
- タイトル別名
-
- Pathogenicity of Shigella fiexneri and Its Regulation.
- Bグン セキリキン ノ ビョウゲン インシ ト ソノ ハツゲン チョウセツ コ
この論文をさがす
抄録
赤痢菌の病原性発現には,菌の腸上皮への侵入とその後の細胞内・細胞間拡散が不可欠である。細胞侵入と拡散は,本菌の大プラスミドがコードするIpa(IpaB,IpaC,IpaD)とVirG蛋白により各々行なわれる。Ipa蛋白の菌体表層分泌は大プラスミドのコードするMixとSpa蛋白群により行なわれるが,細胞侵入を発揮するためには菌体からIpaが遊離しIpaBC複合体を形成する事が必要である。Ipa蛋白の遊離は赤痢菌と細胞外マトリックス(フィブロネクチン等)の接触が引き金となり起こり,生じたIpa複合体は上皮細胞レセプターに作用し,最終的にアクチン系細胞骨格繊維を再構築し食作用を誘起する。ファゴゾームからの菌の脱離にもIpa蛋白が関与している。細胞質内では,赤痢菌は菌体の一極にVirG蛋白を分泌し,そこでアクチンの重合を行ない,これを原動力として菌は細胞内及び隣接細胞へ感染を行なう。これら赤痢菌の感染に重要な蛋白の発現は,その機能が合目的に働くよう厳密な調節系の元に置かれている。さらに染色体上にも多数のビルレンスに必要な遺伝子群が存在し,菌の細胞内増殖,細胞間感染,大プラスミド上の遺伝子発現調節など様々な機能に関与していることが知られている。
収録刊行物
-
- 日本細菌学雑誌
-
日本細菌学雑誌 50 (3), 623-636, 1995
日本細菌学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390001206449458304
-
- NII論文ID
- 10005890559
-
- NII書誌ID
- AN00189800
-
- ISSN
- 18824110
- 00214930
-
- NDL書誌ID
- 3644703
-
- PubMed
- 7474338
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- NDL
- Crossref
- PubMed
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可