結核菌の潜伏感染と宿主細胞接着・侵入の分子機序;分子標的療法の開発を目指して

  • 松本 壮吉
    大阪市立大学大学院医学研究科感染防御学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular mechanisms of persistent infection and adherence/entry to host cells with <i>Mycobacterium tuberculosis</i> for the development of a novel therapeutic and prophylactic intervention
  • ビセイブツガク ノ シンポ ケッカクキン ノ センプク カンセン ト シュクシュ サイボウ セッチャク シンニュウ ノ ブンシ キジョ ブンシ ヒョウテキ リョウホウ ノ カイハツ オ メザシテ
  • 分子標的療法の開発を目指して

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抄録

結核菌は人類の1/3に潜伏感染しており, 時に内因性再燃を引きおこす。成人の肺結核の多くがこの機序で発症し, 現在, 年間約200万人の命が失われている。潜伏感染菌は通常休眠することで, 菌と宿主双方の生存を確保し, 且つ薬剤抵抗性を獲得する。結核菌はヒトを住処としており, ヒト以外の生物や自然環境下での生存は難しい。したがって潜伏感染菌の根絶は根本的な結核対策となる。潜伏感染菌対策を講じるために休眠機構を解かなければならない。細胞を凍らすように菌の代謝を生理的温度下においていかに抑制するのか? 休眠機構は“謎”に包まれていたが, 我々は菌の増殖を停止させる分子MDP1を同定した。加えてMDP1が接着分子として菌の潜伏感染細胞への接着/侵入を促すことを明らかにした。MDP1の活性を中心として, 接着分子を標的とした新しい治療/予防法開発の可能性を紹介する。

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参考文献 (28)*注記

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