コレラ菌性状の試驗管内移変, 特に毒力を復原せしめ得る事について
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- 山口 伊典
- 長崎大学風土病研究所病理部佐賀縣衞生研究所
書誌事項
- タイトル別名
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- Change of cholera vibrio properties in-vitro, with special reference to possivility of virulence revivification
- Supplement to movemental studies on vitality of cholera vibrio, part IV
- コレラ菌性状の動態研究補遺4
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説明
(17), 從来の毒力なる意味を, 狹義の毒力Virulence, 即ち菌体毒素を主とした病原性の表現と, 侵襲力, Invasiveness, 即ち総合的菌生活力を主とした病原性の表現, とに分けて考えるZinsser等の所論はコレラ菌の場合許容し得るようである。<BR>(18), コレラ菌はネオアルバジール添加培地の継代培養通過により, 特にこの意味の侵襲力が増強されるものと解する。幼若家兎耳靜脈内への菌注射は, 之を認めるのに適し, 海猾腹腔内注射は不適当である。(19), ネオアルバジール添加培地継代培養通過は, コレラ菌のカタラーゼ作用と, コレラ赤反應の程度を相互に逆に変化せしめるが, 毒力(広義)乃至侵襲力の程度はカタラーゼ作用に正, コレラ赤反應に負にその程度が比例する。<BR>(20), 余の特殊培地通過といえども, 原菌のカタラーゼ作用及びコレラ赤反應を必ずしも終始, 前者強化, 後者弱化, 即ち毒力増強一途に進行せしめるとは限らない。或る世代以降に於ては逆の進行を示す事もあり, 両反應を指標として毒力最強の菌株を得るには, 個々の菌株につき時期に当を得る事が必要である。
収録刊行物
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- 日本細菌学雑誌
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日本細菌学雑誌 7 (5), 465-467, 1952
日本細菌学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206455620352
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- NII論文ID
- 130001385746
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- ISSN
- 18824110
- 00214930
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可