書誌事項
- タイトル別名
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- Premonitory tremors before the 1986 eruptions of Izu-Oshima volcano.
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説明
約12年ぶりの伊豆大島火山の1986年11月の噴火に先立ち、約4か月前の7月から、断続的に火山性微動が発生した。大島測候所の観測点A点 (三原山火口から0.8km) の地震計のデータを用いて、この前兆的性質を持った微動の特徴を述べる。<br> この前兆的微動は、一定の発生間隔で発生し、振幅及び継続時間が安定した発生様式を持つことが主要な特徴である。このような断続微動の発生メカニズムは、発生源に継続的にエネルギーが供給され、蓄積されたエネルギーが、あるしきい値に達した時に解放され、同時に微動が発生するという過程を示しているように思われる。更に、詳しくみると、最大振幅が除々に増加して行くとともに、最大振幅の卓越成分は、微動の発生の当初、EW成分であったが、除々にNS成分が大きくなった。断続微動の発生間隔は、全体的には約2時間であるが、7月19日~21日と10月21日~24日では約3時間であった。10月24日に断続微動が止まって、10月27日からは連続微動になった。最大振幅の見かけの周期は、約0.6秒であり、ほぼ一定と見なせる。これらの事実の中には、個別的には発生源の移動、伝達経路で説明できるものもあるが、全体的には、発生メカニズムによると考えられる。<br> また、最大振幅・周期・継続時間から推定された1986年の前兆的火山性微動のエネルギーは、総量1015ergのオーダーであり、噴火が近付くに連れて、エネルギーの放出率が増大したという特徴を持っている。
収録刊行物
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- 気象研究所研究報告
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気象研究所研究報告 40 (1), 29-38, 1989
気象庁気象研究所
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206458021760
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- NII論文ID
- 130004785136
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- ISSN
- 18806643
- 0031126X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可