中国四川省峨眉山地域における大気降下物の酸性度調査

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タイトル別名
  • The acidity investigation of atmospheric deposition at Mt. Emei region, Sichuan Province, China
  • チュウゴク シセンショウ ガビ サン チイキ ニ オケル タイキ コウカブツ ノ サンセイド チョウサ

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抄録

大気汚染の深刻な地域である中国四川省峨眉山において,登山ルートに沿って異なる高度で大気降下物を採取し,酸性度の高度分布とその季節変動について調査を行った.酸性度の指標であるpHと入力酸性度(pAi)は,冬低夏高の季節変動傾向を示した.これは,冬季に四川盆地内で濃度が増加するSO2とNOxに起因するSO42-とNO3-の影響を強く受けたためと考えられる.また,年間を通して採取高度が低くなるにつれ酸性化が進展する傾向が認められた.しかし山麓付近では中和成分の影響を受け,pHとpAiの差が大きくなる傾向にあった.この傾向は,鉛直方向に拡散されにくい粗大粒子として大気中に存在する土壌粒子や道路堆積物等のアルカリ成分を多く含む粒子の影響を山麓付近では受けやすいためであった.<BR>峨眉山地域の大気降下物の酸性度は,rainout過程(雲中での取り込み)よりwashout過程(雲下での取り込み)や乾性沈着の影響に支配されていると推定された.

収録刊行物

  • 雪氷

    雪氷 68 (5), 497-504, 2006

    公益社団法人 日本雪氷学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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