書誌事項
- タイトル別名
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- Size and shape variation of mandible and mandibular teeth in the Ryukyu wild boar (<i>Sus scrofa riukiuanus</i>)
- Size and shape variation of mandible and mandibular teeth in the Ryukyu wild boar (Sus scrofa riukiuanus)
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説明
現生リュウキュウイノシシの骨形態変異について分析を行った.使用した試料は,奄美大島,加計呂麻島,徳之島,沖縄島,石垣島,西表島より得られたものである.推定年齢群IV-V段階の雌雄について,下顎骨の大きさと,下顎第3大臼歯の長さを比較した.また,第3,第4小臼歯,第1,第2大臼歯の頬舌径に基づき,LSI法を用いて,臼歯の大きさを比較した.さらに,ノンメトリック形質7項目について,島嶼間で比較を行った.<BR>その結果,イノシシの下顎骨の大きさの分析結果と,歯の大きさの分析結果では異なる傾向が確認された.とくに,石垣島で結果の異なりが認められ,下顎骨の大きさでは石垣島のイノシシが奄美大島,沖縄島,西表島のイノシシに比べて大きい傾向が確認されたが,歯については小さい傾向が確認された.ノンメトリック形質については,第1小臼歯をもち,第3大臼歯のヘプタプレコニュリッドをもつ石垣島,西表島,九州のグループと,第1小臼歯がなく,第3大臼歯のヘプタプレコニュリッドが失われた奄美大島,沖縄島,本州のグループとにわけられた.<BR>下顎骨,臼歯サイズ,ノンメトリック形質の結果から,奄美大島および沖縄島のリュウキュウイノシシの骨形質は,石垣島および西表島とは異なることが示された.また,奄美大島のリュウキュウイノシシは,沖縄島,徳之島,加計呂麻島のイノシシと形態が異なっていることが示された.このことから,奄美大島のリュウキュウイノシシは,沖縄島,西表島,石垣島などと比較してより長い時間,島嶼隔離の影響を受けた可能性が示唆された.一方で,加計呂麻島と徳之島のイノシシについては,大きさと形態が距離的に近い奄美大島よりも,沖縄本島と類似していることが明らかとなった.このことから,現在リュウキュウイノシシが生息する一部の島嶼部においては,イノシシが人為的に移入された可能性が示唆された.
収録刊行物
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- 第四紀研究
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第四紀研究 52 (6), 255-264, 2013
日本第四紀学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206496487424
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- NII論文ID
- 130004700516
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- NII書誌ID
- AN0034136X
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- ISSN
- 18818129
- 04182642
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- NDL書誌ID
- 025054471
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- JaLC
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