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- 佐藤 宏之
- 東京大学大学院人文社会系研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- The role of geoarchaeology in Japanese archaeology
- チ コウコガク ガ ニホン コウコガク ニ ハタス ヤクワリ
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説明
地考古学は,日本考古学ではまだ一般的ではないが,欧米ではすでに遺跡の調査デザインに組み込まれ,考古記録の解釈に活用されて,大きな成果をあげている.欧米の地考古学では,地質学的・地形学的な遺跡形成過程(自然的改変作用)を主とするアプローチが主流を占めているが,プロセス考古学以来の文化的改変作用の考古学的成果を取り込んだ,より包括的な概念として活用するのが望ましい.なぜなら,遺跡の形成過程は,文化と自然に截然とわけることが困難であり,両者は密接に関係するシステムであるからである.<BR>人類生態系概念をモデルとして,地考古学成立の過程とその有用性について解説する.地考古学的分析を加味しなければ,考古学的分析の基礎となる遺跡情報の正確な理解は困難である.地質学などと地考古学は,研究手法を共有するが,前者はより自然の形成プロセスやメカニズムの解明を目的とするのに対し,後者はあくまでも個別の遺跡の理解から出発し,人と大地の関係の解明を目的とするという学的理念と方法の違いを明示し,地考古学の意義について説明する.
収録刊行物
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- 第四紀研究
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第四紀研究 48 (2), 77-83, 2009
日本第四紀学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206496982528
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- NII論文ID
- 10024925898
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- NII書誌ID
- AN0034136X
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- ISSN
- 18818129
- 04182642
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- NDL書誌ID
- 10258399
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDLサーチ
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可