走査型X線分析顕微鏡(SXAM)による非破壊・連続化学組成分析の猪苗代湖湖底堆積物コアへの適用
書誌事項
- タイトル別名
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- Application of non-destructive and sequential analyses of chemical composition using by scanning X-ray analytical microscope (SXAM): A case study of Lake Inawashiro-ko sediment core
- ソウサガタ Xセン ブンセキ ケンビキョウ(SXAM)ニ ヨル ヒハカイ ・ レンゾク カガク ソセイ ブンセキ ノ イナワシロコ コテイ タイセキブツ コア エ ノ テキヨウ
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説明
<p>走査型X線分析顕微鏡(SXAM)を用いた非破壊・連続測定による化学組成分析を猪苗代湖湖底堆積物に適用した.そのために,まず岩石標準試料と猪苗代湖湖底堆積物試料を加圧成形した粉末ペレットを用いて,SXAMと蛍光X線分光分析装置(XRF)による定量分析の結果を比較・評価した.SXAMによる岩石標準試料の定量分析は,TiO2, Al2O3, Fe2O3, MnO, K2Oの分析値と推奨値との間に系統的な差はなく,分析値を推奨値に近い値と評価できる.SiO2, MgO, CaO, SO3の分析値は,推奨値に対して系統誤差があるが,推奨値との相関は良く,系統誤差の傾向を把握したうえで利用できる.Na2OとP2O5は定量性を得られなかった.Asについては,猪苗代湖湖底堆積物のようにPb含有量が少なく,かつ大きな変化がない場合に相対変動を示す半定量的な値として利用できる.SXAMによる定量分析の各元素の相対誤差は,猪苗代湖湖底堆積物の場合,SiO2が2%未満,TiO2が7%未満,Al2O3が5%未満,Fe2O3が6%未満,MnOが12%未満,MgOが35%未満,CaOが8%未満,K2Oが10%未満 SO3が8%未満,Asが35%未満であった.このようにSXAMによる定量分析を評価した上で,猪苗代湖湖底堆積物に対してSXAMによる非破壊・連続化学組成分析を適用し,IN2.5-11コアの厚さ10cm部からFe2O3, MnOとSO3の極大値を11層準,IN2.5-09コアの厚さ12cm部からFe2O3の極大値を12層準見いだした.SXAMによるFe2O3, MnO, SO3, As含有量の鉛直変化(プロファイル)は,猪苗代湖湖底堆積物の縞状粘土の明暗部に対応して変化しており,縞状粘土の成因を検討する際の基礎資料となる.</p>
収録刊行物
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- 第四紀研究
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第四紀研究 55 (5), 223-236, 2016-10-01
日本第四紀学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001206497170176
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- NII論文ID
- 130005250936
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- NII書誌ID
- AN0034136X
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- ISSN
- 18818129
- 04182642
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- NDL書誌ID
- 027671697
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- CiNii Articles
- OpenAIRE
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- 使用不可