`14´C年代とテフロクロノロジーからみた月山の亜高山帯に分布する埋没黒泥層の生成期

  • 苅谷 愛彦
    東京都立大学大学院理学研究科 日本学術振興会 東京都立大学

書誌事項

タイトル別名
  • Genesis of Buried Muck in the Subalpine Zone of Mount Gassan, Snowy Mountain in Northern Japan.
  • 14C ネンダイ ト テフロクロノロジー カラ ミタ ガッサン ノ アコウザン

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抄録

山形県月山の亜高山帯に分布する埋没黒泥層の基底から9,630±350yrs BPおよび9,030±280yrs BPの14C年代値を得た. また埋没黒泥層やその上位の土層から, 鬼界アカホヤ (6.3ka), 吾妻(5.5ka) および十和田a (1.1ka) の各テフラ層を見いだし, 埋没黒泥層下位のシルト層から, 浅間草津テフラまたは浅間板鼻黄色テフラ (いずれも13~14ka) に対比できると思われる火山ガラスの密集帯を検出した. 以上の結果にもとづき, 月山の亜高山帯における埋没黒泥層の生成過程を次のように推定した. 晩氷期 (14~13ka) に黒泥層が存在しなかった可能性は高いが, 完新世初頭(10~9ka) に一部の斜面で黒泥の生成が始まり, 完新世中頃 (6~5ka) までに広範囲に拡大した. その後, 完新世後半 (5~1ka) に黒泥の生成が終了した斜面は多く, 黒泥層は埋没土層となった.

収録刊行物

  • 第四紀研究

    第四紀研究 33 (4), 269-276, 1994

    日本第四紀学会

被引用文献 (4)*注記

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