中小地震の地震動シミュレーションによる2004年新潟県中越地震震源域の深部地盤構造モデルの構築

  • 笠松 健太郎
    東京工業大学大学院総合理工学研究科 現所属:鹿島技術研究所
  • 山中 浩明
    東京工業大学大学院総合理工学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • Estimation of a 3D basin model around the fault area of the 2004 Mid Niigata prefecture earthquake using simulation of earthquake ground motion from small events
  • チュウショウ ジシン ノ ジシンドウ シミュレーション ニ ヨル 2004ネン ニイガタケン チュウエツ ジシン シンゲンイキ ノ シンブ ジバン コウゾウ モデル ノ コウチク

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抄録

 2004年新潟県中越地震の強震動シミュレーションを行う為に,短波長成分を抽出した重力異常値と微動アレイ探査によって同定された S 波速度構造を用いて,震源域約 50 km 四方の地震基盤から工学的基盤までの 3 次元深部地盤モデルを構築した。得られた地盤モデルは,湾曲した構造を有する複雑なものとなり,小千谷周辺では約 7 km の堆積層が存在すると推定された。構築した地盤モデルを用いて2004年10月27日 0:56 (MJ4.3)および2004年10月27日10:40 (MJ6.1)に発生した余震の地震動シミュレーションを差分法によって行った。観測された地震動の大まかな特徴は計算によって再現され,構築した地盤モデルの妥当性が示された。MJ6.1の余震における小千谷で観測された地震動は,深部地盤による影響を強く受けており,震源から西方へ伝播する S 波が増幅されたことによって最大速度が大きくなっていることが分かった。不均質なすべり過程が推定されている震源モデルを用いて本震の強震動を計算し,工学的基盤面における強震動の空間分布を試行的に推定した。波形の一致度は MJ4.3,MJ6.1の余震よりも低下するが,大まかな地震動の様子は計算によって再現された。最大速度は,川口,堀之内の間の地域で大きく,最大で約 100 cm/s になった。<br>

収録刊行物

  • 物理探査

    物理探査 59 (5), 475-484, 2006

    社団法人 物理探査学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (20)*注記

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