流星群と自然氷晶核および降水との関係について

書誌事項

タイトル別名
  • Relation of Meteor Stream to Natural Ice Nuclei and Precipitation

抄録

テープ状のろ紙を用い,大気中の核を採集し,実験室にてそのろ紙上の氷晶核を検出する方法を開発した。この方法によって充分に離れた2点またはそれ以上の地点で,1962年5月,11月,1963年1~2月の期間に,連続的に比較的長期間の自然氷晶核濃度の測定を行った。また1964年1月に北海道の室蘭と東京で同時観測も行った。これらの測定の結果,氷晶核濃度の異常な増加は観測点が互に200km以上も離れているのにもかかわらずほとんど同じ日付にあらわれた。これらの増加の期間はすべて流星群の日から27~29日目にあたっており,その他の期間にはこのような増加はほとんど認められなかった。また1960年から1964年までに,主な流星群から28日目前後の期間にmixing cold chamberやろ紙法によって測定されたすべての氷晶核濃度の時間的変化を調べた。その結果,1月の四分儀,4月の琴座,7月の“daytime”,8月のペルシュース,10月のオリオン,12月の双子座,小熊座など7つの流星群の日から28日目前後に氷晶核の異常な増加がほとんど毎年あらわれることが確められた。またその核濃度の増加した期間には日本各地の降水量も増加していることを統計的にたしかめた。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 45 (1), 126-136, 1967

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (5)*注記

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