網走•雄武地方の力学的に誘起されたフェーン現象の数値的研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Numerical Study of a Dynamically Induced Foehn Observed in the Abashiri-Ohmu Area

抄録

1975年5月12日、北海道、網走•雄武地方に発生したフェーン現象の観測的事実が示され、このフェーン現象が、2次元非静水圧モデルによる数値実験により調べられた。<br>このフェーンは、非断熱加熱がなくとも、900hPa以下の逆転層が存在すれば再現され、このフェーンは力学的に誘起されたフェーンである事が確認された。このフェーンは、非定常の強い非線形現象であり、bore(風上側に伝播するショック状の擾乱)とハイドロリックジャンプを伴っていたが、砕波は伴っていなかった。一様風速、一様安定度の流体のフェーンも調べられたが、これは、ハイドロリックジャンプと砕波を伴っていたが、boreは伴っていなかった。<br>風下側の温位の上昇を無次元化した、フェーンインデックスが導入され、その逆フルード数への依存性が調べられた。一様風速、一様安定度の流体の場合よりも、900hPa以下に逆転層が存在するほうが、フェーン発生の臨界山頂高度が低いことが判明した。<br>また、ヨーロッパアルプスのフェーン(Hoinka,1985)と網走•雄武地方のフェーンとが比較された。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 67 (3), 429-458, 1989

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (12)*注記

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参考文献 (30)*注記

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