周波数可変型マイクロ波放射計を用いた可降水量の推定方法

  • 高村 民雄
    千葉大学環境リモートセンシング研究センター

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タイトル別名
  • A Method to Retrieve Precipitable Water Content Using a Microwave Spectro-Radiometer
  • Method to Retrieve Precipitable Water C

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抄録

22.235GHzの水蒸気吸収線を利用した可降水量(PWC)を求める新しい方法を提案する。この方法は、マイクロ波のK-バンド(18-26.5GHz)全域で測定された輝度温度を積分し、平均の輝度温度を求めこれから水蒸気の寄与を推定するものである。これは、この周波数域が比較的弱い水蒸気の吸収と、吸収線強度が温度、圧力に強く依存しないことによる。<br>典型的な雲モデルをもつ大気モデルを用いて、PWCを求める関係式をもとめた:<br>PWC=aTb.H<sub>2O</sub>+b(g/cm2)<br>ここでa=0.2135±0.0021,b=-0.0420±0.0251,<br>Tb.H<sub>2O</sub>=1/Δff2f<sub>1</sub>Tb.obs(f)df-[Tb.obs(f2)+Tb.obs(f1)]/2+ΔTb<br>Tb.obs(f)は、周波数f GHzで観測された輝度温度、f1,f2は積分範囲を示し、ここで18及び26GHzである。Δf(=f2-f1)は両周波数の差を示し、ΔTbは右辺第2項で雲及び酸素の影響を除去するが、その補正のための係数であり0.2Kである。この推定式の精度を、種々の大気状態を示す実際のラジオゾンデデータを利用して調べた。その結果、通常の大気状態(PWC>1g/cm2,LWP(雲水量)<0.1g/cm2)では、5%以内で再現され、やや冷たい大気条件下(PWC<1g/cm2,LWP<0.01g/cm2)でも、およそ6%程度で再現できることがわかった。

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参考文献 (26)*注記

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