書誌事項

タイトル別名
  • The Seasonal Change of the Water Budget in the Congo River Basin
  • コンゴ川の流域水収支の季節変化〔英文〕
  • コンゴガワ ノ リュウイキ ミズ シュウシ ノ キセツ ヘンカ エイブン

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抄録

コンゴ川の流域水収支の季節変化について長期間平均した水文気象データを用いて調べた。水蒸気収束量はECMWFの全球客観解析データを用いて1985年から1988年までの期間についての平均値を求めた。降水量と河川流量はそれぞれ主に1920年から1960年までと1932年から1959年までの期間のデータを利用し、蒸発散量は降水量と水蒸気収束量の差として月単位で求めた。また大気の水収支各項と1985年から1987年までのNOAA/AVHRRから得られた正規化植生指標(NDVI)の関係についても考察した。<br>ほぼコンゴ川流域の北部を覆う常緑樹林地域では、NDVIと蒸発散量は降水量と同じ位相で季節変化する。これに対してコンゴ川流域の南部を占める落葉樹林地域では、NDVIと蒸発散量は降水量に1ヶ月遅れて季節変化する。全流域の平均ではNDVI、蒸発散量と降水量の関係は南部の落葉樹林地域の季節変化の様子に似ている。<br>南部の落葉樹林地域の乾季には流域平均の蒸発散量は降水量よりも多くなり、流域貯留量は年間の最小値に向かって減少する。このことおよび蒸発散量と降水量の季節変化の関係から、コンゴ川では流域全体の水収支項の季節変化の特徴は主に南側の落葉樹林地域の性質を反映していると言うことができる。

収録刊行物

  • 気象集誌. 第2輯

    気象集誌. 第2輯 72 (2), 281-299, 1994

    公益社団法人 日本気象学会

被引用文献 (8)*注記

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参考文献 (23)*注記

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