スクリーンLP化による省エネ事例

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タイトル別名
  • Energy Saving with LP-Screen
  • スクリーン LPカ ニ ヨル ショウエネ ジレイ

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抄録

古紙を再生利用して,古紙パルプを生産する原料工程には,特に大きなエネルギーを消費するパートとして3つのパートがある。それは,離解工程のパルパー,精選工程のスクリーン,叩解工程のリファイナーの各パートである。エネルギー多消費型の紙パルプ産業においては,省エネルギーを積極的に推進し取組むことが,コスト低減に繋がる大きなポイントとなる。<BR>松本工場の原料工程は抄物により多少の違いはあるが,大きく分けて表系,表下系,中裏系の3系統に分かれる。今回,取組んだLPスクリーンは処理量の最も多い中裏系の精選スクリーンを低動力型スクリーン(LPスクリーン)に改造して省エネを図るものである。LPスクリーンに改造する考え方としては,通過効率のアップ(処理量アップ)が図られることにより,スクリーン台数の削減,ローターの周速低下,付帯機器の削減による省エネ効果を得るところにある。松本工場では既に,C―bar化により周速低下対策を実施していたため,スクリーン台数の削減をして省電力を図ることとして取組んだ。結果としては,2台のスクリーンで運転していたのを1台での運転が可能となり39kWの電力削減効果を得た。<BR>これにより,二酸化炭素排出量を169.4T/年あまり削減できた。またスクリーンリジェクトの濃度を比較した所,改造後は濃度が低くなっており,希釈水の使用が中止でき,LPスクリーンのプレート表面原料の均質化効果を確認した。今後も,更なる省エネを目指した取組みを継続して行く。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 61 (6), 661-665, 2007

    紙パルプ技術協会

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