アルキルケテンダイマー(AKD)サイズ剤におけるアルキル鎖の化学構造が紙質と操業性に与える効果

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Alkyl Chain Structures in Alkyl Ketene Dimer (AKD) Sizing Agents on Paper Properties and Machine Runnability
  • アルキルケテンダイマー AKD サイズザイ ニ オケル アルキルサ ノ カガク コウゾウ ガ シシツ ト ソウギョウセイ ニ アタエル コウカ

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説明

アルキルケテンダイマー(AKD)サイズ剤は,中性抄紙用サイズ剤として広く使用されている。AKDサイズ剤が様々な浸透液に対して優れたサイズ効果を発揮するため,コート紙,印刷筆記用紙,新聞用紙,ライナー,耐酸カップ原紙,写真用印画紙原紙など弱サイズ紙から強サイズ紙まで,その用途は多くの紙種に及んでいる。しかし,AKDサイズ剤の欠点として,紙質面では,滑り,操業面では,アプローチ配管,プレスパート,ドライヤーパートの汚れ,さらに抄造後の後工程での汚れを指摘されることがある。これらの問題を解決するには,先ずAKDサイズ剤の使用条件を最適化することが重要であるが,さらにAKDの化学構造を変える必要がある場合も多い。<BR>本報告ではアルキル鎖の異なる各種AKD,およびそれらの加水分解物であるジアルキルケトンの物性(融点,凝固点)を示した。また各種AKDをサイズ剤として使用したときの紙質(サイズ効果および摩擦係数)への影響について示し,AKDの融点が操業性に与える影響について述べた。さらに,ワックスAKDでサイジングされた紙では,AKDの結晶物の生成が認められることがあるが,この結晶物の生成に対するアルキル鎖構造の影響,およびカチオンポリマーによる結晶生成防止効果について示した。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 61 (10), 1170-1177, 2007

    紙パルプ技術協会

参考文献 (8)*注記

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