SEC-MALS法による製紙用変性澱粉のコンフォメーション解析

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タイトル別名
  • SEC-MALS Study on The Molecular Conformation of Modified Starches for Papermaking

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説明

ヒドロキシエチル化澱粉, アセチル化澱粉, 疎水エステル化澱粉や酸化澱粉はクリア塗工の表面紙力剤やピグメント塗工のバインダーとして製紙業界で広く使用されている。しかしながら, これらの変性澱粉の水溶液中での高分子特性は十分に解明されていない。<br>本研究の目的は, 製紙工程における理想的な化学構造の変性澱粉をデザインするために, 各種変性澱粉の水溶液中での高分子特性を解析することである。<br>本実験では, サイズ排除クロマトグラフィー多角レーザー散乱 (SEC-MALS) 法を用い, 澱粉の変性方法, 置換度, 分子量や溶解方法が水溶液中での高分子特性に及ぼす影響について調査した。変性澱粉に導入された親水基の置換度が多くなる程, 酸処理や酸化処理が強い程, また, アルカリ溶解した場合に変性澱粉の高分子鎖が水溶液中で広がったコンフォメーションになることがSEC-MALS法により明かにされた。表面強度を効果的に高めるには, 水溶液中での変性澱粉の分子鎖が広がったコンフォメーションになる様に, 変性・溶解することが重要であることが, 本研究結果から示唆された。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 59 (2), 256-264, 2005

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (34)*注記

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