技術革新が新聞用紙とその製造技術を如何に変えてきたか―新聞用紙製造技術の系統化調査―

  • 飯田 清昭
    国立科学博物館産業技術史センター平成19年度主任調査員,元紙パルプ技術協会専務理事

書誌事項

タイトル別名
  • How Technological Innovations Changed Newsprint and the Making Process of It-Survey on Technological Developments in Newsprint Production in Japan-
  • -Survey on Technological Developments in Newsprint Production in Japan-
  • ―新聞用紙製造技術の系統化調査―

抄録

紙の基本的な製法は,A. D. 105年に中国で発明されたとされている。原料は草木類や衣類のぼろで,手すきで紙にした。この技術が,産業革命により木材を原料とし,機械力で抄紙する近代的な製紙産業に発展する。さらに,1920年代に,記録の媒体であった紙に,包装及びティッシューの用途が加わり,大型装置産業として発展した。しかし,大型化したゆえに環境との折り合いが問題となる。製紙産業は,炭素の循環(森林―製紙(古紙のリサイクル)―焼却(二酸化炭素)―森林による吸収)を組み込んだ数少ない持続型の産業である。<BR>日本の紙・板紙生産量は,最近の中国の急増により世界第三位となったが,依然として有数の製紙国である。国内での原料,エネルギーに乏しい日本が国際競争力を長年保ってきた背景には,それを可能にした継続的な技術開発があるはずである。その歴史を,主要な紙である新聞用紙の生産を通して調査することで,特質を明らかにし次世代の技術開発に役立てることを目指した。<BR>その技術開発の歴史を理解する助けとして,まず,基礎技術の解説を加えた。次回から本論に入ることになる。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 63 (4), 404-413, 2009

    紙パルプ技術協会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (1)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001206516125184
  • NII論文ID
    130004492680
  • DOI
    10.2524/jtappij.63.404
  • COI
    1:CAS:528:DC%2BD1MXltVGnsbg%3D
  • ISSN
    18811000
    0022815X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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