アプローチ設備の体系と歴史,最新技術

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タイトル別名
  • History of Paper Machine Approach System and State-of Art Short Flow Concept
  • アプローチ セツビ ノ タイケイ ト レキシ,サイシン ギジュツ

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抄録

最終段階で抄紙機に原料を送るアプローチシステムは,製品の品質を最後に制御する非常に重要なプロセスである。抄紙機の高速化及び大量生産に伴う技術革新に対して,アプローチシステムもこれに対応するように変遷してきた。本稿の前半で,アプローチシステムの約半世紀にわたる歴史的変遷を説明し,後半で,現在のアンドリッツが提案する最新のシステム「ショートフローコンセプト」についての説明を行う。<BR>本稿では,抄紙機の抄速の高速化については記述しないが,日本国内においては,もっとも遅い抄紙機のスライスジェトの速度は10m/分程度であり,最も高速の場合が,家庭紙の抄紙機で2,000m/分を超えるジェットスピードで運転されている。スライスの流量の範囲も1m3/分から200m3/分と非常に幅の広い条件になっている。現在,抄紙機メーカーでは更なる高速化の研究が行われているが,スライスジェット速度が50m/秒(3,000m/分)を超えると,スーパーキャビテーション領域にはいることにより,物理的に制御が難しくなると思われる。現在の速度は物理的に限界に近づいていると思われる。<BR>現在のシステムコンセプトはコンパクト化であり,制御技術の進化に伴い大きなエネルギー効率を改善することができるエリアである。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 68 (9), 979-985, 2014

    紙パルプ技術協会

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