広葉樹ECF漂白パルプのヘキセンウロン酸と褪色との関係(第1報)

書誌事項

タイトル別名
  • Relationship between Hexenuronic Acid and Brightness Reversion of ECF-bleached Hardwood Kraft Pulp Part 1
  • 広葉樹ECF漂白パルプのヘキセンウロン酸と褪色との関係(第1報)[含 英語文]
  • コウヨウジュ ECF ヒョウハク パルプ ノ ヘキセンウロンサン ト タイショク ト ノ カンケイ ダイ1ポウ ガン エイゴブン

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説明

日本において典型的な86%ISO前後のECF晒クラフトパルプについて,その褪色原因を調べた。その結果,海外で一般的な90%ISOを越す晒クラフトパルプの場合と異なり,パルプ中に残留した僅かなリグニンが褪色に関与することも認められたが,やはり主原因はパルプ中に残留したヘキセンウロン酸(以下,HexA)であり,HexA量が多いほど褪色が進むことがわかった。他方,同じ白色度のECF晒クラフトパルプであっても,漂白シーケンスによって残留するHexA量が異なり,特にD―ECF漂白シークエンスで漂白した場合にHexAが多く残留することも判明した。これは二酸化塩素がパルプ中のHexAよりもリグニンと優先的に反応するためであり,対策としては,漂白前のパルプ中のHexA量/リグニン量の比をあらかじめ低くしておくことが考えられた。漂白前のパルプ中のHexA量/リグニン量を制御する工程として蒸解工程に着目して調査した結果,蒸解後のカッパー価を最適化することでこの比を低く抑えることができ,D―ECF漂白シークエンスであってもHexA量の少ない晒クラフトパルプを製造できることがわかった。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 64 (2), 170-179, 2010

    紙パルプ技術協会

参考文献 (35)*注記

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